9月30日のアメリカ競馬(2)チャーチル・ダウンズとローレル・パーク編

9月最後のアメリカ競馬、GⅠ戦オンパレードのカリフォルニアに行く前にケンタッキーとメリーランドに立ち寄りましょう。共にGⅠ戦は無く、BCのトライアル戦も無いことから極く簡単に結果だけでも。

先ずチャーチル・ダウンズ競馬場ではG戦2鞍。何れもダートのメイン・コースで、馬場は fast 。先に行われたルーカス・クラシック Lucas Classic (GⅢ、3歳上、9ハロン)は、2013年に創設されたレースで、第5回となる今年からGⅢに格上げされました。同名の名調教師を記念したレース名。7頭が出走し、前走スティーヴン・フォスター・ハンデ(GⅠ)で2着しているオノラブル・デューティー Honorable Duty が3対5の断然1番人気。
スタートから主導権を握ったオノラブル・デューティー、ここでは格が違い、4番手を進んだ6番人気(16対1)のマネー・フロウズ Money Flows に4馬身4分の3差を付ける逃げ切り勝ちです。最後方から追い込んだ4番人気(8対1)のシーキング・ザ・ソウル Seeking the Soul が頭差の3着。
ブレンダン・ウォルシュ厩舎、コーリー・ラヌリー騎乗のオノラブル・デューティーは今期マインシャフト・ハンデ(GⅢ)、ニュー・オーリーンズ・ハンデ(GⅡ)と2連勝し、アリシェバ・ステークス(GⅡ)2着からスティーヴン・フォスターを経て今シーズン3つ目のG戦奪取となった5歳せん馬です。

チャーチルのもう一鞍はアック・アック・ステークス Ack Ack S (GⅢ、3歳上、8ハロン)。9頭が出走し、前走フォアゴー・ステークス(GⅠ)で2着しているオウサム・スルー Awesome Slew がやはり3対5の圧倒的1番人気。
8番人気(78対1)のピンソン Pinson が逃げて直線も良く粘りましたが、6番手で待機していたオウサム・スルーが直線で外から前を纏めて捉えると、3番手から伸びた2番人気(7対2)のザ・プレイヤー The Player に1馬身差を付ける順当勝ちです。ピンソンが9馬身4分の1差離されての3着。
マーク・カッセ厩舎、又してもコーリー・ラヌリー騎乗のオウサム・スルーは、これがG戦3勝目となる4歳牡馬。去年のパークスでスマーティー・ジョーンズ・ステークス(GⅢ)、今年もキーンランドでコモンウェルス・ステークス(GⅢ)に勝っていました。

次はローレル・パーク競馬場から3鞍のG戦。何れも芝コースで、馬場は firm 。最初のコモンウェルス・オークス Commonwealth Oaks (芝GⅢ、3歳牝、9ハロン)は10頭立てで、前走スイーテスト・チャント・ステークス(芝GⅢ)を制しているリムスカ Rymska が2対1で1番人気。
7番人気(10対1)のアイム・ベティー・ジー I’m Betty G が逃げて粘りましたが、7番手で待機した本命リムスカが直線で大外一気の末脚を爆発させ、4番手から追い込んだ2番人気(4対1)のタパージ Taperge に4分の3馬身差を付けて人気に応えました。逃げたアイム・ベティー・ジーが半馬身差の3着。
チャド・ブラウン厩舎、ファーガル・リンチ騎乗のリムスカは、去年のBCジュヴェナイル・フィリーズ・ターフの5着馬で、今期は前走スイーテスト・チャントが始動で、未だ2戦目。ということは、今シーズンはG戦に2戦2勝で負け無しということになります。

芝G戦の二つ目は、去年まではコモンウェルス・ターフ・カップとして施行されていたワシントン・インターナショナル・ターフ・カップ Washington International Turf Cup (芝GⅡ、3歳上、8ハロン)。今年から改名され、2頭が取り消しての6頭立て。3歳時はフランスで走っていたプロジェクテッド Projected が6対5の被った1番人気に支持されています。
最低人気(55対1)のクリスマス・スカイ Xmas Sky が逃げ、3番手を進んだプロジェクテッドが抜け出すと、4番手追走の2番人気(2対1)カタパルト Catapult に1馬身4分の1差を付ける快勝です。5番手を進んだ3番人気(4対1)のリング・ウイークエンド Ring Weekend がハナ差3着と順当。
チャド・ブラウン厩舎、ニック・フアレズが騎乗したプロジェクテッドは、ジャドモント・ファームが所有する5歳せん馬。フランス時代は4勝しましたが、去年4歳時は未出走に終わっていました。今期は2戦目でキーンランドのアローワンス戦で初勝利を挙げ、その後G戦で二度2着を続け、前走バナード・バルーク・ハンデ(芝GⅡ)で5着し、これがG戦初勝利となります。

ローレルの最後は芝のダービー、コモンウェルス・ダービー Commonwealth Derby (芝GⅢ、3歳、9ハロン)ですが、これまでのGⅡからGⅢに格下げされました。ここも2頭の取り消しが出て6頭立て、前走サラナック・ステークス(芝GⅢ)を勝って4連勝中のヴードゥー・ソング Voodoo Song が3対5の断然1番人気。
大本命がスタートから先頭に立って逃げ切りを図りましたが、3番手に付けた4番人気(7対1)のジャスト・ハワード Just Howard が直線で外からヴードゥー・ソングを4分の3馬身差し切っての逆転勝ちです。5番手を追走していた2番人気(2対1)のプロフィティア Profiteer が1馬身差の3着。
グレアム・モーション厩舎、オークスに続いてダブルとなるファーガル・リンチが騎乗したジャスト・ハワードは、これがG戦初勝利で、しかも4連勝。ピムリコの未勝利戦で初勝利を挙げると、ローレルの一般ステークスに2連勝してG戦タイトルを獲得しました。

 

 

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